どーも、闇から現れたサラブレッドです。
今回は、「用語解説」シリーズの一つとして、「VPN」というものについて解説していきます。
たまに聞く用語ではあるのですが、よく分からない…、という方が多いと思います。
絶対に知ってないといけない!、というほどではないものの、インターネットをより安全に利用するために、知っておいた方がいい情報ですので、この機会に知ってもらえればと思います。
※本記事では、分かりやすさを第一に、かなり簡単に説明しているため、厳密には違うところもあります。ご了承ください。
VPNとは
VPNとは、
V:Virtual (バーチャル)
P:Private (プライベート)
N:Network (ネットワーク)
の略で、直訳すると、
「仮想専用ネットワーク」
となります。
…正直これでは分かりにくいですよね(笑)。
簡単に言うと、
皆も一緒に使ってるネットワーク上に、あたかも自分専用のネットワークを作ったかのようにする
といった感じです。
次の章からは、さらに詳しく解説していきましょう。
VPNの仕組み
通常のネット接続の場合
VPNの話に移る前に、まずは通常のネット接続について説明していきます。
そして、それを理解するために、最低限知っておいてほしい単語が2つあります。
LANとルーターです。
LANとは、Local Area Network (ローカルエリアネットワーク)の略で、「同じ敷地や建物内などに構築されたネットワーク」のことです。
例えば、私は自宅のWi-Fi、すなわち同じネットワークに、iPhone、iPad、MacBookを接続させていて、どの端末からもネット接続ができるようになっています。
つまり、自宅内で複数の端末間を結ぶネットワークが構築されているわけです。
このようなネットワークが「LAN」です。
そして、この「LAN」内の端末が、「インターネット」という外部のネットワークに接続するためには、LANとインターネットを接続するものが必要になります。
この、LANとインターネットを接続するものこそが「ルーター」です。
また、ルーターには、LAN内の情報がインターネット上に漏洩しないようにする働きもあります。
- LAN … 同じ敷地や建物内などに構築されたネットワーク
- ルーター … LANとインターネット、のように、異なるネットワークどうしを接続するもの
ここまでの内容をまとめて、通常のネット接続のイメージを模式的に表すと、以下のような感じになります。
【通常のネット接続のイメージ図】
※この図ではルーターをLAN外に置いていますが、LAN外に置く場合とLAN内に置く場合、どちらもあるため、ルーターがLANの内か外かはあまり関係ありません。
VPNを用いた場合
通常のネット接続に対して、VPNを用いた場合では、途中でVPN対応ルーターを介してネットに接続させます。
【VPNを用いたネット接続のイメージ図】
VPN対応ルーターを介すると、接続が暗号化されるのが大きな特徴です。
これが、セキュリティを強化することにつながり、VPNを使う大きなメリットになるのですが…、
次の章で詳しく述べます。
ちなみに、本記事では「VPN対応ルーター」という書き方をしていますが、他の方の記事などでは、「VPNサーバー」といった書き方がされているものがあります。
サーバーといったりルーターといったりして、少し困惑するかもしれませんが、サーバーの一部機能を抽出したものがルーターなので、この場合はほぼ同じ意味と考えてもらってかまいません。
VPNのメリット
では、VPNをなぜ使うのか、というと、以下のようなメリットがあるからです。
セキュリティが固くなる
自宅で使うWi-Fiなど、しっかりとお金を払って契約したものでは、
1.LAN内の情報がインターネット上に漏洩しないようにネット接続してくれる
2.そもそもWi-Fiには、自分や家族の端末など、ある程度限られた端末しかアクセスできない
3.もし万が一通信が傍受されたとしても、暗号化されていて、簡単には解読できない
このような理由から、ネットを介してなにか個人情報や大切な情報をやり取りしたとしても、他人に情報を盗まれるなどのセキュリティ面での心配はありません。
しかし、フリーWi-Fiの場合は違います。
街中でよく見かけるフリーWi-Fiの場合、不特定多数の人が同じネットワーク内に接続していて、通信が傍受される危険がある上に、通信も暗号化されていません。
※通信が暗号化されているフリーWi-Fiもあります。この場合は、仮に通信が傍受されても解読できないため、通信内容が誰かに漏れることはありません。
つまり、フリーWi-Fiを使うと、ネットでやり取りした大切な情報が、悪意を持った人に盗まれる危険が高まります。
しかし、VPNを用いると通信が暗号化されるので、悪意を持った人からは通信内容が全く見えなくなります。
このように、VPNを使うと、特にフリーWi-Fi使用時にセキュリティ向上が見込めますので、ぜひ使ってみてください。
現在地とは違う場所からネット接続しているかのようにできる
実は暗号化の他にも、VPNを使う大きなメリットが存在します。
それはLANの拡張です。
…といきなり言われても分かりにくいでしょうから、一つ例を出します。
大学生の私は今、自宅でネットを使って論文検索をしているとします。
しかし、中には有料の論文もあり、お金を払わなければ閲覧できません。
大学内のネットワーク(大学のLAN内)から論文にアクセスすれば有料の論文も読める、というサービスを大学が契約しているため、大学に行けば読めるのですが、自宅から大学に行くのが面倒くさい…(笑)。
そんな時に使うのがVPNです。
自宅から有料論文にアクセスする際、大学内にあるVPN対応ルーターを介してアクセスすれば、自宅にいても大学内(大学のLAN内)にあるルーターからネット接続が行われるわけですから、実質的に大学内から有料論文にアクセスしたことになります。
これなら有料論文を自宅で読むことができるのです。
このように、自分が今いる場所から、違う場所のVPN対応ルーターを介してネット接続をすると、現在地とは違う場所からネット接続しているかのようにできます。
さらに言うと、自分が今いる場所に構築されたLANと別の場所に構築されたLANとを、VPNによって接続して合体させた、つまりLANの拡張が行われた、というわけです。
これも、VPNの大きな特徴です。
この特徴を利用すれば、海外にVPN対応ルーターを介してVPN接続を行うことで、海外からでしか見られないコンテンツを日本で見る、なんてこともできます。
また、本社と支社のLANをつなげることで、その会社のすべての人が使える一つの大きなLANを構築し、業務の効率化をしているところもあるようですね。
ここで、VPNのメリットをまとめると、
- (特にフリーWi-Fiを使った場合の)セキュリティの向上
- LANの拡張
となります。
VPNのデメリット
前章で述べたように、VPNには様々なメリットがありますが、当然デメリットもあります。
では、VPNを使ったデメリットにはどんなものがあるのか、今度はそれを解説していきましょう。
通信速度が遅くなる
まず、通信速度の低下が挙げられます。
通常のネット接続では行われない、VPN対応ルーターを介する、という「ひと手間」が加わっているわけですから、通信速度が遅くなるのは当然のことです。
どれほど遅くなるかは、
・接続先のVPN対応ルーターの性能
・接続先のVPN対応ルーターがどこにあるか。日本にあるものに接続するより、海外にあるものに接続した方が遅くなる(現在地から遠いVPN対応ルーターに接続するほど遅くなる)。
という要因で変わってきます。
注意!ほんとに安全??
メリットのところで、VPNを使えばセキュリティが向上される、と述べましたが、気をつけないと逆に危険になり得ます。
通信が暗号化され、通信内容が外から見えなくなる、とお伝えしましたが、それはつまり、VPNの中でなにかワルいことをされても、外からは何も気づけない、ということでもあります。
悪意のある人からすれば、もうやりたい放題、最高のカモです。
VPNを使う際、多くの人が他社のVPNサービスを利用すると思いますが、悪意のある会社が提供しているVPNサービスを利用すると、通信内容を盗まれ放題になってしまう危険性があります。
なにかと、
「あなたの接続は危険です。今すぐこちらからVPNサービスを無料で利用して、接続を安全にしましょう!」
みたいなポップアップをしつこく出してくるアプリやサイトがたまにありますが、怪しさ極まりないです。
しっかりプライバシーポリシーなどを読み、信頼ある会社が提供するVPNサービスを利用するようにしましょう。
デメリットをまとめると、
- 通信速度の低下
- 悪意のあるVPNサービスを利用すると、かえって通信内容を盗まれる危険が!
となります。
理系学生からの一言
VPNの仕組みや危険性などを解説してきましたが、いかがでしたか?
さらに高度なネット接続が行えるようになりますので、注意点に留意しながらぜひ使ってみてください。
VPNを利用して、ネット利用をさらに便利に!
それでは、また次回!
Twitterでも、情報発信・その他つぶやきを行っています。
記事の更新情報も流しますので、よかったらフォローしてくださいね。
また、LINEオープンチャット「Apple大学 iPad研究科」というグループも運営しており、みんなでiPad活用法を共有しあう場として提供しています。ニックネームで参加でき、気軽に分からないことを質問することもできるので、ぜひ参加してみてください!
最後に、下のシェアボタンからシェアしていただけるととてもうれしいです!シェア一つでも、すごく励みになります!
0 件のコメント :
コメントを投稿