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iPadはPCに取って代われるか!?iPadを累計1万4千時間も活用した国立理系大生の結論

【PCの時代はもうすぐ終わる】

それが、iPadを1日10時間、大学生活4年間で使った私の率直な感想です。

iPadってパソコンの代わりになるの?

こんな疑問を持つ方は多いですし、私自身もiPadを使い始めるまで未知数でした。

本記事では、「iPadがPCの代わりになるのか?」という問いを検証し、この疑問に私なりの答えを示したいと思います。

iPadでできること、できないこと

iPadでできること、できないこと

疑問に答えるために、まずは、主にパソコンで行う作業のうち、iPadでできること、できないことを整理していきます。

【iPadでできること】

  • Officeアプリによる、簡単な文書作成・編集
  • キーボードを買えば、キーボード操作もできる
  • インターネット検索はもちろんできる
  • メール、LINE、Skypeなどを使った連絡
  • PDFなどのファイル閲覧
  • PDF編集も行える
  • 動画編集、イラストを描くこともできる

もちろんこれだけではなく、様々なアプリをインストールすればまだまだできることは増えるのですが、主なものとしてこんなところでしょうか。

仕事や勉強で使いそうなことは、ほとんどできるようになってきています。

では、次にiPadではできないことを見ていきます。

【iPadでできないこと】

  • パソコンのようなファイル操作 (後で補足)
  • Excelによる複雑で専門的な計算
  • コマンドの実行
  • プログラムの実行

上記のものは、残念ながらiPadではできません。
専門的なものになると、どうしてもできないことが増えてきます。

補足ですが、「パソコンのようなファイル操作」ができない、というのは、パソコンのように様々なところに保存されているファイルを一括で管理できない、ということです。

一般的なパソコンでは、様々なソフト(iPadでいうところのアプリ)の中や、接続中の外部端末(USBメモリなど)の中に保存されているファイルなどは、MacのFinder(ファインダー)やWindowsのExplorer(エクスプローラー)といったファイル管理ソフトによって一括管理ができます。

しかし、iPadではそれができないのです。
特に、外部端末(USBメモリなど)内のファイルを一括管理できないのは不便です。
追記:iOS13から、純正ファイルアプリを使ってUSBメモリなどの外部端末内のファイル操作もできるようになりました。ただし、アプリ内のファイル操作はこれまで通り原則できません(中には一部対応するアプリもあります)。

これはiPad(を含むiOS端末)の仕様によるもので、iPadを活用する上で特に混乱することの一つでしょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

ほとんどの人には機能的にiPadで十分

ほとんどの人には機能的にiPadで十分

iPadでできること、できないことについて整理したものを踏まえ、さらに深く見ていきます。

まず、できることについてですが…
ほとんど何でもできますね(笑)

もちろん、作業の種類ごとにそれぞれアプリを入れる必要はありますが、基本的に仕事や勉強で使いそうなことは何でもできます

私も大学生活でiPadを愛用していますが、めったに困ることはありません
レポートはWordアプリで書けばいいですし、講義等でもらった資料をPDF化すれば、PDF編集アプリを使って自分だけのノートを作ることもできます。
PowerPointアプリでプレゼン資料を作って発表する、ということも何度もしましたし、Excelアプリを使えば、実験結果をもとにまとめて計算させ、それを表にまとめる、なんてことだってできてしまいます。

動画編集やイラストを描く、といった作業も、最近ではアプリやiPadの性能が大幅にアップしたことで、パソコンよりもサクサク作業ができる!、という人もいるくらいです。

逆に、iPadでできないことについてですが…
できないことを探すのに苦労しました(笑)。

まず、前述のようなファイル操作のしにくさですが、こればかりはiPadの仕様なので慣れるしかないです。ただ、逆に言えば、慣れれば何の問題もないです。

以前の記事でも紹介したように、「Documents」というアプリを使えば、そのアプリの中にたくさんのファイルを入れておいて、それらを整理する、なんてこともできますし、クラウド上のファイルも一括で管理できます。
こうしたアプリを使えば、パソコンとは異なるファイル管理の方法でも、スムーズにできるようになります

そして、できないことの残り3つですが、専門的すぎて一般の人にはほとんど関係ないです。

まず、Excelによる複雑で専門的な計算。これは、私でこそ理系の学生なので多少関係はありますが、多くの一般の人にとっては関係ないだろうな、と感じます。
だって、t検定だのF検定だのχ2(カイ2乗)検定だの、普通は使いませんよね?

コマンドの実行やプログラムの実行についても、そこまでの機能を求める人はあまり多くないはずです。

つまり、ほとんどの人にとってはiPadの機能で十分なのです。

最大の弱点はExcelとプログラミングだけど…

最大の弱点はエクセルとプログラミング

とはいえ、Excelとプログラミングができない(しにくい)ことは、理系学生の私としては少し気になるところではあります。

特にExcelに関しては、より高機能な有料版を使用したとしてもできないことが多すぎます。

現状では、Excelとプログラミング関連の作業が、iPad活用を妨げる最大の壁なのです。
ここは意識しておいた方がいいでしょう。

ただ、プログラミングに関しては、そう「プログラミングが出来ない!!」と悲観することもありません
あくまでプログラムの実行ができないだけで、App Store上のコードエディタアプリを使えば、コーディングをすることは十分に可能です。
プログラミング言語の一つ、「Python」に関して言えば、一部制約があるものの、「Pythonista」というアプリを使えばコーディングだけでなく実行までできてしまいます。
「Continuous」というアプリを使えば、C#やF#というプログラミング言語も実行できるようになります。

プログラミング言語の種類によっては、それぞれ対応したアプリを使うことで、プログラミング関連の作業を行うことは十分に可能なのです。

また、(特にiOS)アプリ製作を行いたい!という場合、Mac上で動作するXcodeというソフトが必要になるのですが、もしかしたらもしかするとiPadでその一部の機能が使えるようになるかもしれません。あくまで推測の域を出ませんが、その可能性はあります。

というのも、個人的にiPad用のXcodeを開発した経験があるLouis D'hauwe氏が、Xcode開発に携わるエンジニアとしてAppleに就職したからです。
iPadにXcodeを搭載するために、Appleがいわばヘッドハンティングしたのでは!?、という可能性も全く考えられないわけではないのです。
iPadでアプリ開発ができる時代が来るかもしれません

Excelに関しては…
こればかりはMicrosoftが対応してくれないことにはどうしようもないですね…。

一応Web版のExcelを使う、上記のようなアプリを使って自分で独自にプログラムを組み、Excelでの作業を代わりにさせる、といった方法もありますが…
やや面倒で現実味に欠けます…。

Excelでのより専門的な作業については、必要なときだけ学校や職場のパソコンを借りて行う、というのが一番現実的かもしれません

iPadは性能面でもPCに追いつきつつある

性能面でもPCに追いつきつつある

次は性能面のお話です。

さて、なんとなく皆さん、iPadはPCよりは性能低いんだろうなぁ、とか思っていませんか?

実は全くそんなことはなく、最新のiPad Proのベンチマーク結果を見ると(要するに性能を計測すると)、MacBook Proの性能に肉薄しており、iPadは性能面でもPCに匹敵する性能に進化しつつあるのです。

Appleも「市場の92%のノートPCよりも速い」と公式に発表しているくらいで、それほど性能が良くなってきています。
4Kの動画を読み込むスピードが、PCを使ったときより早い!、というレビューも一部では見られています。

iPad "ならでは" の強み

iPad "ならでは" の強み

これまで「PCとの比較」つまり「PCにどれだけ近いことができるか」を中心にみてきましたが、iPadにしかない強みがあるということも忘れてはいけません。

まず、圧倒的な持ち運びやすさ

iPadは本当に軽いです。機種にもよりますが、重さはだいたい500g弱しかありません。軽いと言われているPCはだいたい800〜900gなので、それと比べてもかなり軽いことが分かります。

さらに、薄くてコンパクトなので、バッグ、服の大きめのポケットなど、どこにでも収納でき、持ち運びがとにかく楽です。

こんなに持ち運びしやすいのに、前述のように性能が高いのは驚きです。

次に、タッチパネルによる直感的な操作

タッチパネルがあることで直感的な操作ができるというのは、iPadを使うことによる大きなメリットの一つ。
タッチ操作可能なPCもありますが、タッチ操作のみに特化して作りこまれたiPadの方が、やはり操作性に優れています。タッチ操作対応のPCより、iPadの方がタッチ操作がサクサクできる、という意見を聞くことが多いです。

具体的にタッチ操作で良かった!、と私が特に感じるのは、書類の注釈付け

例えば、以前の記事でも紹介したGoodNotesを使えば、ささっとPDF上に、まるで紙の書類に書き込むように注釈をつけることができます。
これはノート整理などにとても便利で、私が最もよく使う機能の一つです。

GoodNotes使用の様子

そして、最後に忘れがちなのがカメラ

カメラがあることは意外に見落としがちなメリットで、これはぜひ再確認してほしいところ。

PCにもカメラが付いているといえば付いていますが、さすがにPCを持って写真を撮ろうとは思えません(笑)。

カメラが使えることによる具体的なメリットとしては、こちらも以前に紹介した、スキャナーアプリを使える、ということが挙げられます。
スキャナーアプリを使うと、紙の書類をスキャナー無しで簡単に電子化(PDF化)できるのでとても便利です。
スキャナーアプリで紙の文書を電子化した後、上述のようなPDF注釈アプリで注釈付けを行う、というのは私がよく行う一連の流れで、iPadのみで全て完結できるのは助かります。

これはPCだけではできません!

【スキャナーアプリの一つ「Scanner Pro」の公式動画】

これらはiPadでできることのほんの一部にすぎませんが、iPad "ならでは" の強みがたくさんあることが分かります。

iPadOSの登場でさらに完璧に

iPadOSの登場でさらに完璧に

iPadOSの登場

2019年秋に公開されると発表されてから、iPadユーザーの間で最も話題になっているのではないでしょうか。

今まではiPhoneもiPadも同じ「iOS」が使われていましたが、iPad独自のOSが公開されるというこの大ニュース。
このブログのタグに「iOS」というのがあるのですが、「iPadOS」というタグも追加しないと…、なんて思っているところ…。

iPadOSの登場はiPadをより完璧にすると私は考えていて、記事の最初の【PCの時代はもう終わる】、という感想に至る決定的な理由となりました。

iPadOSについて私が注目しているポイントは主に3つ。

1つ目はファイル操作の強化

前述したように、iPadはその特有なファイル構造から、PCのようなファイル操作ができず、ファイル操作が難しいという問題がありました。
しかし、iPadOSでは外部端末(USBメモリなど)を接続でき、その中のファイルも一括管理できるように進化しています。

これは非常に大きな進化で、データの受け渡しがさらに便利になるなど、ますます使い勝手が良くなること間違いナシです。

2つ目はフォントの追加ができるようになること。

今まではフォントの追加をすることができず(正確には、面倒な手順を踏めば強引に追加することはできた)、iPadにもともと入っているフォントしか使えなかったのですが、iPadOSではフォントの追加ができるようになります。

フォントの数が少なく、表示が上手くいかないときもあったのですが、これでそんな問題が解決できますね!
デザイン系の作業をしている方などにもありがたいのではないでしょうか。

3つ目はマウスが使えるようになること。

まだ具体的にどのような仕様になるのかは明らかでないのですが、iPadOSではマウス操作が可能になるようです。
どの程度使えるかはまだ未知数なのですが、マウスまで使えるようになると、もはやこれはパソコンですね(笑)。

マウス使えないからiPadはちょっと…、と言う人も私の周りにいたのですが、これでそれも解消されて、さらにiPadを使う人が増えそうです。

iPadOSの登場で、iPadがさらに完璧になっていくのは間違いないでしょう。

結論:PC主流の時代は終わる

結論:PC主流の時代は終わる

これまで複数の角度から、「iPadがPCの代わりになるのか?」という問いを検証してきましたが、こうして見ると「PC主流の時代は終わる」と思わざるを得ません。

性能面ではPCに追いつきつつ、もしくは超えつつあり、機能面でも、よほど専門的なことではない限り何でもできて、できないことなどほとんどありません

まだまだ改善の余地がある現段階でさえ、理系学生である私が、iPadのみである程度の作業をこなせているので、すでにこれは実証されています。
これからさらに高機能になるのは間違いないわけですから、なおさらできないことは少なくなるでしょう。

もちろん、PCが全く必要なくなる、と言うつもりはありません。

PCでなければできない専門的なことはありますし、PCはまだまだ必要とされるでしょう。

しかし、それはあくまで、研究者やプログラマー、クリエイティブ系の仕事をしている方たちといった専門的な一部の人たちにとって、です。

一般の多くの人にとってPCの能力はあまり必要ではなく、iPadだけで十分なはずです。

ですから、今後PCは主流ではなくなっていき、iPadがその座を奪う可能性は十分にある、と私は考えています。

理系学生からの一言

iPad大好き理系学生からの一言

今回は、「iPadがPCの代わりになるのか?」という問いに対する答えを、私自身の経験から回答してみました。

その結果は以下の通り。

今回の一言

PC主流からiPad主流の時代へ!!

今後、どんどんiPadの果たす役割というのは大きくなっていくかと思います。

これからもiPadをどんどん活用していきましょう!



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